【導入】FSLのインストール方法

FSLはFMRIB software libraryの略で、オックスフォード大学で開発されたMRI解析・統計ツールです。

Structural / Functional /Diffusion MRIの前処理や解析が可能で、MacOSとLinuxで扱うことができます。本ページではFSLのインストール方法について記載します。

筆者の環境は2020/12現在、MacOS Catalina version 10.15.7です。Big Surは対応していないソフトも多いためアップデートは見送りましょう。FSLのversionは 6.0.4です。

目次

インストールの前準備

FSLをインストールするために2点必要なことがあります。

1. XQuartzの導入
2. Python 2.7.0へのversion変更

XQuartzの導入に関して公式サイトのような記載があります。

The FSL software suite requires the X11 windowing system – please install XQuartz before continuing with the FSL installation. The FSL install script will warn you if it is unable to find X11 on your computer.

https://fsl.fmrib.ox.ac.uk/fsl/fslwiki/FslInstallation/MacOsX

FSLにはX11 windowingシステムが必要になりますが、現行のMacOSに搭載されていないためXQuartzのインストールを推奨されています。

脳画像解析ソフトであるFreeSurferを利用している方は、導入の際に既にXQuartzをインストールしていると思います。そうでない方はこちらのページを参考にXQuartzを導入してください。

Python2.7.0への変更についても下記のように公式サイトに記載があります。

The installer requires python 2.x to run which is the default on macOS and Centos 6 & 7, if you have installed python version 3 and made it the default when you run python then you will need to run it with a python 2 version, you can often find this as:

・/user/bin/python

・Python27

・Python2.7

・Python26

・Python2.6

https://fsl.fmrib.ox.ac.uk/fsl/fslwiki/FslInstallation/MacOsX

つまり、Python 2.6 or 2.7を利用しないとFSLは導入できないということです。Python 3.9.0のままインストールを試みると [ SyntaxError: Missing parentheses in call to ‘print’ ] と表示されインストールできません。

Python 2.7との切り替えには pyenvを利用するのが簡便です。ただ、現行ではOpenSSLの問題がありpyenv install 2.7.0の入力ではエラーが起きてしまうことがあるようです。pyenvの導入とPython 2系を導入する際のエラー回避については該当ページに記載しておきましたので、ご確認ください。

FSLのインストール

XQuartzのインストールとPython2系の環境変更について確認できたら、下記のページから登録とインストーラーのダウンロードをしましょう。

公式サイト(インストーラーはこちらから):FslInstlation
MacOS用のインストール手順はこちら:FslInstallation | MacOsX

[ Download FSL ]をクリックすると個人情報の入力とライセンスへの同意が要求されます。情報の入力後、右下のAgreeをクリックしてください。下記のページに飛ばされます。

[ Download FSL 6.0.4 ]をクリックすると(デフォルトでは)downloadsに [ fslinstaller.py ]がダウンロードされます。Python 2.7からfslinstaller.pyを起動しましょう。

まず、Pyenvのバージョンを2.7に変更し、バージョンを確認します。

pyenv global 2.7.0

python -V

[ Python 2.7 ]と表示されれば無事にversionを変更できています。次に、fslinstaller.pyがあるディレクトリに移動し、fslinstaller.pyをpython 2.7で起動します。今回はダウンロードされたディレクトリをそのまま指定します。

cd /Users/【ユーザー名】/Downloads

python2.7 fslinstaller.py

FSL Installerが起動されました。下記の画面が表示され、FSLを/usr/local/fslにインストールして良いかと聞かれるのでEnterを入力しましょう。

Enterを入力するとダウンロードが開始されます。容量が大きく1〜数時間かかります。終了するとPasswordを要求されるので、PCのpasswordを入力してください。インストールが完了すると下記の画面が表示されます。

実際にFSLが導入されたか、ターミナルにFSLと入力して確認しましょう。下記のGUIが表示されれば問題ありません。

fsl

以上でFSLの導入は完了です。お疲れ様でした。

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この記事を書いた人

脳神経内科医。脳画像解析と機械学習に関する記事を掲載します。ご指摘等ございましたらコメント欄またはTwitterにご連絡ください。

コメント

コメント一覧 (3件)

  •  お世話になってます。
     画像解析を勉強している医師です。先生のサイトのおかげで、FSLをダウンロードをすることができました。大変ありがとうございます。
     大変恐縮ですが、よろしければひとつ教えてください。
     拡散テンソル画像の解析(TBSS)を実施したいと考えています。探す限り、日本語のマニュアルのようなものはなく、FSLのホームページのUser Guideを読んでいるところですが、具体的にどの項目にどのファイルを入力するのかなど記載があまりなく、難渋しています。
     もし先生がTBSSを使用されたことがあり、参考にされた文献や動画があれば、ご教示いただけないでしょうか。
     お手数ではございますが、ご助言いただけましたら幸いです。

    • ご連絡ありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ございません。
      TBSSを用いた解析については日本語のマニュアルが見当たらなかったのですが、
      ABiS( ttps://www.nibb.ac.jp/abis/)プラットフォームが主催する
      第9回ABiS脳画像解析チュートリアル( ttps://www.nemotos.net/?p=3663)で非常に詳しく解説されており
      TBSSについても詳細に説明頂きました。
      チュートリアルの資料に関しては二次配布に当たるため当方から配布できず、そちらで問い合わせて頂くことは可能でしょうか。
      お力になれずすみません、何卒宜しくお願い致します。

      •  ご返信ありがとうございます。
         いろいろと調べていただいたようで、大変恐縮です。
         UserGuideを少しずつ読み解いて進めていこうと思います。

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