【FSGD file】FreeSurferを用いたSurface group analysis #1

脳皮質の形態解析では、従来のVoxel-based morphometryよりもSurface-based morphometry (Surface group analysis)を用いることでより詳細な解析が可能とされています。

Surface-based morphometry をFreeSurferで行う場合、QDEC(Query, Design, Estimate, Contrast)を用いたGUIベースの解析と、[ mri_glmfit ]コマンドを用いたコマンドベースの解析がありましたが、FreeSurfer version 7.1.1ではQDECはサポートされていないようです。

本ページでは後者について解説します。

また、Surface-based morphometryを行う際は、新規のディレクトリを作成した上で解析を行った方が、複数の解析を行う際にミスが起こりにくいと思います。

しかし今回はTutorialのため、全てのファイルをSubjectsディレクトリに入れて作業を行います。新規ファイルで解析を行う場合は、PATHを通した上で行ってください。

基本的な流れは以下の通りです。

STEP
解析するSubjectの選択
STEP
統計エンジンへのデータ入力
  • FSGDファイル作成
  • コントラストファイルの作成
STEP
出力データの生成
  • mris_preproc によるリサンプリング
  • mri_surf2surf によるデータの平滑化
  • mris_glmfitを使用した線形モデルのフィッティング
  • Freeviewで出力の確認
STEP
クラスター修正・出力

本ページでは 2:統計エンジンへのデータ入力までを解説します。以降は下記のページをご確認ください

Surface-based morphometryのチュートリアルは以下を参考にしています。

目次

FSGDファイルの作成

FreeSurferへのデータセット入力には FreeSurfer Group Descriptor (FSGD) ファイルが必要になります。まずは自身のStudyで、年齢や性別など Sample dataを入力したExcelファイルを用意します。本ページではTestSubjectでは年齢と性別のみを加えた下記のデータを使用します。

Excelの上4行には、FSGDファイルとして認識するため「ヘッダー行」を追加します。

GroupDescriptorFile 1
Title TestStudy
Class 1
Class 2

本チュートリアルでは年齢・性別の2項目を変数として用いるため、
ヘッダー行の下に1行追加し、下記のようにします。

GroupDescriptorFile 1
Title TestStudy
Class 1
Class 2
Variables Age Sex

Group数・変数によりヘッダー行を変更するため下記サイトを参照してください。

Titleには用いる Study と同様の文字列を入力してください。
Class 以降にはそれぞれサブジェクトの分類を入力してください。

本記事のtutorialでは 1 : control, 2 : patient

その後、Tableの左に1列追加し、Inputと入力してください。Inputが入力されている行にそれぞれのSubject(Sample)が含まれていることを示します。全て入力が終わると下図のようになります。

入力が完了したら、Excelファイルのメニューバーから「名前をつけて保存」を選択し、ファイル形式を「 タブ区切りテキスト(.txt) 」にします。そのテキストファイルコピーしたディレクトリをターミナルで開いた上で下記のコマンドを入力します。

tr ‘\r’ ‘\n’ < TestStudy.txt > TestStudy.fsgd

テキストファイルから 拡張子が .fsgdとなったファイルが作成されます。

コントラストファイルの作成

各モデル間のコントラストの重みを設定するためにコントラストファイルを作成する必要があります。
本Tutorialでは年齢と性別を変数しており6つの変数を入力したコントラストファイルが必要です。以下のコードで6つのファイルを作成し、それぞれ文字列が入力されます。

echo “1 -1 0 0 0 0” > Contrast1GroupDiff.mtx

Contrastファイルは変数に応じて作成する必要があります。
本Tutorialは本家サイトの Two Groups(One Factor/Two levels), Two Covariates を参考にしています。

6つの変数を使用している理由は下記サイト p23にわかりやすい図が載っているため参照してください。
Surface-based Group Analysis in FreeSurfer

これで解析の準備が整いました。次ページでは mris_preproc を用いたグループファイルの作成と、mris_glmfit を用いた一般線形モデルのフィッティングについて説明します。

次ページ:mris_glmfit】FreeSurferを用いたSurface group analysis #2

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

脳神経内科医。脳画像解析と機械学習に関する記事を掲載します。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次